人間には、よく知られた「五感」の他にも20種類以上の感覚があります。
その中でも将来の学習や社会性の基盤になる大切な5つの感覚をアネビーでは「新五感」と呼んでいます。
新五感を知ることは定型発達を知る上でも発達障がいを知る上でも重要です。
視覚
聴覚
タッチ覚
(触覚)
バランス覚
(前庭覚)
ボディ覚
(固有覚)
学習・運動・社会性に繋がる能力
器用さ(目と手の協調)
空間イメージ(視知覚)
言語・発語
ボディイメージ(身体図式)
運動コントロール(両側協調や運動企画)
姿勢
無意識の筋力調整(筋緊張)
目の動き
バランス感覚(前庭覚)
ボディ覚(固有覚)
タッチ覚(触覚)
視覚
聴覚
重力に対して「傾き」や「揺れ」、「回転」、「加速」などを自分自身で感じる感覚。他の感覚との相互作用で空間と自分のからだの関係を把握します。
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手や足の位置など、関節の動きを自分で把握したり、筋肉の力の入れ具合を感じる感覚。他の感覚との相互作用で、からだの状態を把握し、ボディイメージや器用さの獲得につながります。
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皮膚への刺激の種類や大きさを感じる感覚。「どこに」刺激を受けているかを感じることで、自分のからだの地図(ボディイメージ)を作ります。
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光を感じる感覚。視力が良いということではなく、形や奥行、物の動きを把握する感覚です。また集中すべきことに集中できる(図地分別)など、文字の認識などにもつながる大切な感覚です。
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重力に対して「傾き」や「揺れ」、「回転」、「加速」などを自分自身で感じる感覚。他の感覚との相互作用で空間と自分のからだの関係を把握します。
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音を聞く感覚。単に耳が良いということではなく、音の方向を感じたり、集中すべき音とそうでない音の聞き分けをします。他の感覚との相互作用で言葉の獲得にもつながります。
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バランス覚で感じた重力の向きに対し、ボディ覚で力の入れ具合を調整できることが、姿勢につながります。姿勢とは単にきちんと座っていられるかどうかではなく、からだに軸が確立され、それに対しての前後左右が確立されることです。軸に対する前後左右があいまいだと、その後の運動コントロールの発達などに影響が出ます。
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無意識のうちに筋肉に張りがある状態のことで、専門的には筋緊張と言います。この無意識の筋力調整があることが姿勢を保ちやすさや、からだの動かしやすさにつながります。
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目を動かす筋肉とバランス覚には密接な関係があります。一点を見つめながら頭をふっても見つめているところがぶらないのはそのおかげです。この関係性がきちんと発達することが、運動コントロールや自分のからだを把握する能力につながっていきます。
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自分のからだの大きさや手足の位置、関節の曲げ具合を自分自身で把握する能力のことです。この「脳内のからだの地図」は、生まれたときは大まかなイメージしかありませんが、発達とともに本当の自分のからだと一致していきます。ボディイメージが正確でないと、からだを動かすときに不自然さが出ることがあります。
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立つ、座る、歩く、走る、跳ぶといった粗大運動や、そのときに手足を順番通りに動かす能力(運動企画)のことです。土台となるバランス覚が発達して獲得しますが、粗大運動を行うことでさらに高度なバランス覚への感覚入力が得られます。運動コントロールが十分発達することが器用さ(微細運動)につながっていきます。
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微細運動とも言います。目で見て細かな手の動きで対応できることを指し、おもちゃを手に取るなど生後3ヶ月ぐらいから徐々に発達していきます。器用さは将来の日常生活や学習に大きくかかわります。器用さが育まれないと、様々な場面で叱られたり指摘されたりすることが多くなり、人間関係構築に影響が出ることがあります。
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物の位置や大きさ、形、動き、位置関係、奥行などを把握する力です。空間内の周囲の物や人との自分の位置関係の把握にもつながります。空間イメージは、転んだり物にぶつかったりすることが少なくなる、身体能力の向上につながる、迷子になりにくい、物の構造理解につながるなどの抽象概念形成にもつながります。
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二語文、三語文から会話へと、将来のコミュニケーションにつながる大切な要素です。単におしゃべりができるということだけでなく、物と名前の一致、相手が言っていることの理解、口に出さなくても頭で考えることができる、といった抽象的思考を育みます。
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非認知能力とも呼ばれる学力とは違ったテストなどで計測がしにくい心の能力のことで、急速な変化がある現代社会において必須の将来的な学習や社会性につながる基礎の力です。
「目標にむけてがんばる力」、「感情のコントロール」、「協働性や社会性を含むコミュニケーション能力などが特に大切と言われています。
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以下の図は、脳の中での感覚統合の概念図です。各段がバランスよく発達することで上の段に進んでいき、非認知能力につながるまでを「階段」で表現しました。
定型発達の子どもは、遊びや生活の中での「体験」や「からだの動き」から新五感をバランスよく発達させることができます。そして上の段へと進んでいき、将来の学習や運動・社会性につながる能力を獲得していくのです。
一方で、気になる子は感覚の発達に偏りがあります。例えば、「乱暴」と思われてしまう子が、友だちとじゃれ合う時に必要以上に強い力を出してしまうのは、実は「ボディ覚(固有覚)」の感じ方に偏りがあり、「筋力」での「運動コントロール」ができていないのかもしれません。
そうであるならば、その子への指導は「お友だちに乱暴するのはダメ」と注意するのではなく、「ボディ覚(固有覚)」に直接働きかける活動を重点的に行なう援助をすることが重要となるのです。
感覚刺激は脳の栄養と言われています。そして、からだを主体的に動かすことで感覚刺激が得られます。あらゆる経験や刺激が体験できる要素を豊富に取り入れた「遊び環境」を整えること。そして日常生活にはない、またぐ、くぐる、よじ登るなどのいろいろな動きを体験させることで、特に発達に重要な役割をもつ「バランス覚(前庭覚)」と「ボディ覚(固有覚)」を育てたり、補完できる「きっかけ」をつくることが大切なのです。
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光を感じる感覚。視力が良いということではなく、形や奥行、物の動きを把握する感覚です。また集中すべきことに集中できる(図地分別)など、文字の認識などにもつながる大切な感覚です。
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音を聞く感覚。単に耳が良いということではなく、音の方向を感じたり、集中すべき音とそうでない音の聞き分けをします。他の感覚との相互作用で言葉の獲得にもつながります。
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皮膚への刺激の種類や大きさを感じる感覚。「どこに」刺激を受けているかを感じることで、自分のからだの地図(ボディイメージ)を作ります。
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重力に対して「傾き」や「揺れ」、「回転」、「加速」などを自分自身で感じる感覚。他の感覚との相互作用で空間と自分のからだの関係を把握します。
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手や足の位置など、関節の動きを自分で把握したり、筋肉の力の入れ具合を感じる感覚。他の感覚との相互作用で、からだの状態を把握し、ボディイメージや器用さの獲得につながります。
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