人間には、よく知られた「五感」の他にも20種類以上の感覚があります。
その中でも将来の学習や社会性の基盤になる大切な5つの感覚をアネビーでは「新五感」と呼んでいます。
新五感を知ることは定型発達を知る上でも発達障がいを知る上でも重要です。
視覚
聴覚
タッチ覚
(触覚)
バランス覚
(前庭覚)
ボディ覚
(固有覚)
以下の図は、脳の中での感覚統合の概念図です。各段がバランスよく発達することで上の段に進んでいき、非認知能力につながるまでを「階段」で表現しました。
定型発達の子どもは、遊びや生活の中での「体験」や「からだの動き」から新五感をバランスよく発達させることができます。そして上の段へと進んでいき、将来の学習や運動・社会性につながる能力を獲得していくのです。
一方で、気になる子は感覚の発達に偏りがあります。例えば、「乱暴」と思われてしまう子が、友だちとじゃれ合う時に必要以上に強い力を出してしまうのは、実は「ボディ覚(固有覚)」の感じ方に偏りがあり、「筋力」での「運動コントロール」ができていないのかもしれません。
そうであるならば、その子への指導は「お友だちに乱暴するのはダメ」と注意するのではなく、「ボディ覚(固有覚)」に直接働きかける活動を重点的に行なう援助をすることが重要となるのです。
感覚刺激は脳の栄養と言われています。そして、からだを主体的に動かすことで感覚刺激が得られます。あらゆる経験や刺激が体験できる要素を豊富に取り入れた「遊び環境」を整えること。そして日常生活にはない、またぐ、くぐる、よじ登るなどのいろいろな動きを体験させることで、特に発達に重要な役割をもつ「バランス覚(前庭覚)」と「ボディ覚(固有覚)」を育てたり、補完できる「きっかけ」をつくることが大切なのです。
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光を感じる感覚。視力が良いということではなく、形や奥行、物の動きを把握する感覚です。また集中すべきことに集中できる(図地分別)など、文字の認識などにもつながる大切な感覚です。
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音を聞く感覚。単に耳が良いということではなく、音の方向を感じたり、集中すべき音とそうでない音の聞き分けをします。他の感覚との相互作用で言葉の獲得にもつながります。
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皮膚への刺激の種類や大きさを感じる感覚。「どこに」刺激を受けているかを感じることで、自分のからだの地図(ボディイメージ)を作ります。
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重力に対して「傾き」や「揺れ」、「回転」、「加速」などを自分自身で感じる感覚。他の感覚との相互作用で空間と自分のからだの関係を把握します。
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手や足の位置など、関節の動きを自分で把握したり、筋肉の力の入れ具合を感じる感覚。他の感覚との相互作用で、からだの状態を把握し、ボディイメージや器用さの獲得につながります。
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